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■ 座禅2014. 8. 3

 平成十一年に光輝会を立ち上げて、今年は十五年の節目の歳にあたる。その記念事業の一つとして考えたのが座禅会だった。近くに観音寺座禅会があるのを知り、問い合わせたところ、小学生高学年なら他の参加者に迷惑にならないでしょうということで、快く承諾して頂いた。当初、七名の参加予定だったが、入門部一名、少年部七名、一般部五名、保護者二名の参加となった。
 座禅開始前は、子ども達にリラックスするようにと助言する程、緊張した様子が見て取れた。座り方、呼吸法、警策を頂く作法等を教わり、二十五分の座禅を二回行った。とても長く感じた二十五分だったが、何事も無く初体験の座禅を終了した。私自身、お寺での座禅は初めてで、周囲の事が気に係り、無心になれなかったのは残念だったが、皆さん、二度の座禅をやりぬいた満足感でいっぱいになったのではないかと思う。
 昭和五十四年、NHK特集『行〜比叡山・千日回峰〜』という番組を見て、四十才で得度した酒井雄哉さんを知り仏教の“行”に関心を持つようになった。正しく呼吸することの大切さを実感したのはこの頃だった。座禅会では数息観という、数を数えながら呼吸を合わせていく、集中方法を教わった。数にとらわれてしまうと雑念が起こり、無心なれない。また、目は一メートル先を見るのだが、人の動きが目に入ると、気になってしまう。一人より多人数で行う座禅は無心になることが難しいと感じた。
 座禅会最後の茶話会では、武道に関連したお話をして頂いた。沢庵和尚と柳生宗矩のトラの話で、トラと気迫で対決した柳生宗矩、それとは対照的に猫のようにトラを手なずけた沢庵和尚、どちらが上か言うまでも無い。
 合気道の稽古で技をかける場合も、とらわれないこと、無心になることがとても大切なことだが、かなり稽古を積まないとできないことだ。また、沢庵和尚のような勝ち方こそ、合気道が目指しているものではないか。