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■ 作業療法と2015. 7. 5

 『合気道と作業療法』とういキーワードを尾道の先輩から聞き、ネット検索したところ、最初に表示されるのが「NHK福祉ポータルハートネット」で大塚敦子さんの「合気道と作業療法」というページだった。アメリカでは発達障害の子どもたちのための作業療法として合気道の稽古が活用されているらしいということで、アメリカのシアトルまで取材に行った内容が書かれている。
 発達障害と言えば、失読症を告白したハリウッドスターのトム・クルーズ、映画監督のスティーブン・スピルバーグが知られている。トム・クルーズは台本を読んで覚えることができないため、録音されたセリフを聞いて覚えたという。
 発達障害情報・支援センターのホームページによると、この発達障害は、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他の障害に定義されているが、障害の種類を明確に分けて診断することは大変難しいとされている。「本人が何に困っているかきちんと把握し、その人に合ったやり方で、きちんと教えることが必要」、また、「大事なことは、その人がどんなことができて、何が苦手なのか、どんな魅力があるのかといった“その人”に目を向けること」と言ったことが書かれている。
 シアトルの合気道道場には自閉症、広汎性発達障害の子が何人か稽古しており、八才の広汎性発達障害の子を担当する作業療法士が、合気道について次のように説明している。「受け身:感覚を刺激する・安全に転がることで精神的な強さを育てる」「座り技:身体バランスを鍛える」「取り・受けの相対稽古:コミュニケーション能力を高める」など。
 合気道は発達障害の治療にも有効であること、そのためには発達障害に対する正しい理解が必要であることを知った。シアトルの作業療法士がどのような指導を行っているか、とても興味がある。いま、私にできることは、ひとり一人の個性を把握し、その人に合った指導ができるようになりたいと思っている。


合気道光輝会/大畑博