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■ 合気道とは2015. 9. 6

 戦後七十年の年、今や合気道は世界百三十か国にまで普及されている。私が合気道を始めた四十数年前は、世間の認知度は低く、合気道は気合で相手を倒すもののような認識しかなかったので理解してもらうのも一苦労だった。しかし、最近では、たまに年配者で合気道と少林寺拳法を区別できない人もいるが、合気道の説明をすることが少なくなった。少しずつ合気道人口がのびていることを実感する。
 二か月前のこと、小学四年生の男の子に合気道をしないかと誘ったところ、「合気道ってなに?」と父親に質問、父親は「相手の力を利用して投げるもの」という簡単な説明だった。納得したかどうかは分からないが、興味はなかったようなので、それ以上の会話はしなかった。あれだけの説明で合気道をどこまでイメージできたのだろうかと思う。
 合気道に何を求めるかによって、質問の答えは違ってくるが、合気道を見たことがない小学生に説明するとしたらどうなるか考えてみた。『柔道とは違って試合はありません。合気道の技は、相手の攻撃をかわして、投げたり、押さえて動けなくしたりします。自分が技をかけて相手を投げると、次は、逆に相手の技を受身する稽古を繰り返します。繰り返し、繰り返し、何度も稽古して、無駄な力と無駄な動きをなくしていくとだんだんきれいな合気道ができるようになって、身体も丈夫になり、自分に自信が持てるようになります。』どんな言葉を重ねても、見たことがないことを説明するのは難しいが、何となく夢が持てたら良い。
 合気道は人間完成の道だと私は思っている。できれば失敗はしないほうが良い、しかし、合気道の稽古をとおして、失敗を重ねながらひとつ一つ壁を乗り越えていくことで自分自身の改革に繋げていくことを目指している。
 私たちは、“合気道とは何か?“このことを常に頭において稽古を続けなければならない。また、いつでも答えを持っていなければならないが、少しづつ変わることがあっても良いと思っている。


合気道光輝会/大畑