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■ 柔らかさ2015.11.29

 入門部、少年部の準備運動のなかに三十秒ブリッジがある。私がストップウォッチを持っているので自分自身でブリッジをすることはなかったが、先日、なんとなく取り組んでみた。ところが、当然できるものと信じて疑わなかったブリッジが、全くできなくなっていることに大きな衝撃を受けた。腰が曲がらない、肘が伸びない、頭が床から離れない。まだまだ柔らかいと思っていた身体が、ここまで固まっているとは思わなかったのだ。
 合気道の受けを取るうえで、身体の柔らかさは重要だ。柔らかさがあれば、強い投げにも、鋭い投げにも、身体は相手の技についていくことができる、怪我もしない。また、技をかけるうえでも、相手の動きに敏感に反応することができる。私は、学生時代の柔らかさはないが、稽古で年齢以上の柔軟さを保っていると自負していたこの認識を改めなければならない。ただ稽古していれば柔軟さを保つことができるというわけではないようだ。
 技をかける時、受け身を取る時、どうすれば柔らかい身体をつくることができるか考えなければならない。ある人は、呼吸に合わせて技をかける、受け身を取ることで柔らかくなると言われるが、その効果については定かではない。受け身ではりきまず、ふんばることなく、吸気で多くの関節を動かし、可動範囲を広げることが柔らかさを保つことになるのではないかと想像する。
 しかし、ブリッジができるようにするためには、直接、関節を動かしていくことも必要であろう。肩甲骨、背骨、股関節を道具など使用して動かす努力をしなければならないと思うのだが、私自身がこれを継続していく自信はない。この先、間違っても若返ることはない。私にできることは、稽古の中で柔らかさを追求することだけのようだ。
 皆さんの先を私は歩いている。年を重ねるごとに受け身がきつくなってくるが、高齢者でも、良い受け身、柔らかい受け身が取れるように工夫していきたい。


合気道光輝会/大畑