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■ 礼法2016. 7. 3

 私には退会についての苦い思い出がある。その時に起きたしこりは十八年経った今も消えることはない。当時所属していた合気道の会を脱退する時の私の取った方法が、礼儀に反していたことだ。若干の言訳を許して頂ければ、直接お会いして退会を願うだけの時間的な余裕がなかったこと。そして、退会が問題視されるほどの存在ではないと思っていた為、退会届を郵送して終わりにしてしまった。感謝の意を述べ、退会の経緯と今後の展開などを記したものだったが、結果として怒りを買うものになってしまった。
 退会について、その方法を示したものは当会にはない。徐々に稽古に来なくなり消えていく人、メールで退会を連絡する人、少年部で親は姿を現さず子供に挨拶をさせる人、親子で退会の挨拶に来てくれる人が居るが、道場まで来て親子で挨拶する方法が最も良い。退会するにはそれぞれの理由があるが、街で出会っても挨拶を避けるような人には、決して成って欲しくない。少年部を退会した子のお母様が、公民館で私の姿を見つけて声をかけて下さったことがあった。その時、成長した子どもの様子を聞かせて頂き、人の子ながらとてもうれしく思った。また、少年部を途中退会した子が、高校生になって、もう一度始めてみたいという連絡があった。これ程嬉しいことはない。
 礼法というと、堅苦しくて 面倒くさいものだと思われるが、知らないと恥をかく。恥をかきながらも覚えていくしかない。『礼法の基本精神は「相手を思いやる心遣い」。・・・「どれひとつとっても背景にそれなりの合理的な理由があり、美の追求といわれるほど簡素な動作で表現するものなのです。」・・・「見るからに尊敬できる品格というものは長い間の普段の心と形の礼法を重ねて初めて得られるものです。』(小笠原惣領家流礼法HPより)
 誰しも、一流より三流を望む者はいない。相手を思いやる心は合気道にも共通している。礼法と合気道を両輪として一流を目指そう。


合気道光輝会/大畑