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■ 演武2016.12. 6

 先月の第十六回定例演武会も無事終了した。一年間の成果発表として取り組んでもらった演武だが、指導者として反省すべきところが多々あった。一つは少年部の演武途中で、技の流れが何度も止まった子が出たことだ。稽古不足とも言えないのだが、技を頭の中で整理できていないのが大きな要因と捉えている。また、人前で技を披露する緊張感がそれを大きくした。もう一つは、自分で演武を終了することができなくなった、ひとり三分の持ち時間を無視したかのような中学生の演武。稽古方法改善の必要性を感じた演武会だった。
 事実を受け止め、反省することで一歩前進してほしい。この機会を逃すと同じような失敗を、またどこかで、繰り返すことになるのではないか、反省なくして進歩はない。また、人の失敗を自分のものと捉えることができれば、同じ失敗をしないですむ。
 シンクロナイズドスイミングの井村雅代コーチの選手時代は「休まないこと、続けること」を心掛け、これを自分の唯一の才能としていた。コーチになってもこれは続けた。そのきっかけは、「練習に来なさい、来たら何とかしてあげる」という、才能のある先輩に言った先生の言葉を、自分に向けられた言葉として受け止めたことから、休まず、黙々と通い始めたそうだ。
 また、井村コーチによれば、「伸びる選手は人の言葉を信じることができる子、心のシャッターをおろす子はダメ。人の話を聞くときは、耳で聞き、頭で聞き、心で開かないとダメ。」もう一つは、「自分で限界を決めないこと。できないことにぶつかった時に、努力が足りなかったと素直に思い1ミリでも自分を高めようとする。」と言われる。
私は指導に当たり、ひとり一人注意深く観察し、粘り強く、より適切なアドバイスができるよう心掛けている。自分を変えていくためには、休まず、諦めることなく、稽古を続けていくことが最低条件だと思っている。