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■ へんじ2017. 3. 5

 少年部での稽古中に、「ここはこうしなさい」と注意すると、きちんと振り返って「ハイ」と気持ちの良い返事を返してくれる子が何人かいる。そんな子は返事だけではなく、注意されたことは修正しているから感心する。自分自身の子ども時代はどうだったかと思うが今となっては定かではない。きっと返事もできない子だったのではないかと想像する。
 合気道はひとつひとつの積み重ね、基本の半身の姿勢が作れない子は、技の中でも両足がそろったり重心が高くなったりするため、技をうまくかけられないことになる。きちんと返事ができる子は一年、二年と稽古を続けると返事をしない子との違いが大きく見えてくる。技の上達、進歩がある日突然、驚きとともに見えてくるのは少年部、一般部でも同じだ。上達曲線は右肩上がりではなく、階段直線だ。
 返事の他にもう一つ言えば、お辞儀である。呼吸に合わせて行うお辞儀を毎回必ず見せてくれる子は返事ができる子だ。お辞儀ができても返事ができない子はいない。綺麗なお辞儀を見ると気持ちが良い。しかも、一回の稽古で何度も行うお辞儀を丁寧にできる子は称賛に価する。“一事は万事“、必ず良い人生を送ることができるものと信じている。
益田の体育館で、少年剣道と場所を共有することがある。四股立ちをしながらの素振りを行っていたが、一人の小学校高学年の子が足を震わせながら耐えていたが、ついに崩れてしまった。それを見た指導者は「逃げるな、逃げる癖をつけるな」と叱咤。良く躾けられていた、「ハイ」と大きな声。厳しい指導に目を見開いた。
 子どもたちの指導について、考えさせられたひと時だった。合気道の技を習得していくなかで成長していくことが稽古の目的と考えている。「あいさつ、返事、スリッパ」の三つのことができるようになるには、厳しく言い続けなければならないと反省。少年部卒業までに、自分の身体を自分自身でコントロールできるようになる、できなかったことができるようになる、返事ができるようになる、こうありたい。